-ネイチャーイメージスライドショークラブ第二回講演の様子-



去る2009年03月28日、渋谷のモンベルクラブ渋谷店5Fサロンにおいて、 スライドショークラブの第二回講演が行われました。
参加者は演者を含めて67名になり、にぎやかな雰囲気の中で行われました。
(下から4枚以外は、全て長束芳彦氏による撮影です)

 
今回は17時のスライドショーに先立って、実験的に15時から開場しました。
会場に並べられた作品をじっくり眺めたり、久しぶりに会う友人と話したり、お茶を飲みながらのんびりしたり。
それぞれに非日常な空間を楽しんで頂きました。
 
簡易展示台には参加者の皆さんの作品が。
これは中村恵美さんによるアース&ハートカードとポストカード。数が並ぶと、撮る人の個性が見えてきます。
 
こちらは油井一善さんによる、オリジナルDVD。ドルフィンスイムやホエールウォッチングを疑似体験できます。
真っ青な海の中、イルカとヒトとの平和的なコンタクトの様子に、心がいやされます。
 

少し毛色の変わった作品として、友人の“あるてあ(ペンネーム)”さんにお願いして、手作りのグッズも置いて頂きました。
ハガキやブローチ、コップ、簡易印刷による自費出版など、いわゆる「同人グッズ」「同人誌」と呼ばれる作品たちです。

同人と言うと、既存のマンガやアニメの二次創作の印象が強いですが、実際は自然や動物をテーマにしたオリジナルの作品も多くあります。
趣味の作品作りに決まった方法はありません。自分が感じたものを、既製の制約にとらわれず表現する、こんな方法もあります。
スライドショークラブでは、今後も同人作品の発表を積極的に応援したいと思っています。

 
17時になったので、スライドショーを開始。恥ずかしながら、開始のあいさつをさせて頂きました。
相変わらず締まりのないトークですみません。<(_ _)>
 
続いて会場を提供して頂いたモンベルクラブ渋谷店のスタッフの方に、モンベルクラブ会員についてご説明頂きました。
色々特典があるので、皆さんもぜひぜひ。
 

最初の演目は中村恵美さんと水楡菜穂子さんの撮影、高橋由実さんの解説による、「シャチ・ウオッチング〜釧路&カムチャツカ」です。

まずは中村さんと水楡さんに動物と写真に寄せる思いを語って頂きました(左の写真)。
我々男性とは違う、女性的(と言うと差別的?)な感性で撮られている事がよく伝わりました。

次に高橋さんの解説で、釧路でのシャチウォッチングの様子を見せて頂きました(右の写真)。
大変ラッキーなウォッチングだったそうで、シャチが波乗りする様子や、間近から捉えた貴重なショットが多数ありました。
船の間近でジャンプするシャチのスーパーショットがすごかった。
カムチャツカの紹介では、商店の様子とゴミの浮かぶ生け簀で飼われているシロイルカが印象的でした。

 

続いては油井一善さんによる、「Nature Island Ogasawara(ハイビジョン映像)」です。

第一回のドルフィンスイム中心の内容とは異なり、今回は私のわがままで、陸の様子もムービーに入れて頂きました。
中心街の様子から始まり、ザトウクジラウォッチングにダイビング、ドルフィンスイム。最後には小笠原名物のレジャーボートに囲まれての見送りと、小笠原にショートトリップしているような気分に浸れました。小笠原での楽しみ方のプロモーション映像としても、とても優れていると思います。小笠原に興味のある人がいたら、ぜひ見てもらいたいです。

余談ですが、プロジェクターで見ると、イルカが実物大で表示されるので、圧倒的な臨場感を味わえます。
家庭用のテレビでは不可能な、スライドショークラブのみで味わえる楽しみです。

 

3つ目は私のスライドショーの予定だったのですが、水口博也さんが急用で、急きょ順番を入れ替えました。
と言う訳で、次は海洋ジャーナリストで写真家の水口博也さんによる、「特別講演 どう撮り、どうまとめるか〜作品を作るとき、私が考えること」です。

水口さんはご自身でも定期的に取材成果を紹介するスライドショーを行っているのですが、今回は趣旨を変えて、作品制作の裏側を紹介する内容を話して頂きました。

滅多に見る事の出来ない写真集の印刷の様子に始まり、書籍を作る際の考え方、どのような意図をもって写真を撮り、選び、配置しているのかなど、この講演で初めて語られる話題が目白押しでした。合間には、写真集に使われた美しいイルカやクラゲの写真も紹介され、参加者の中から感嘆のため息が聞こえました。

 

これは終盤近く、実際に印刷された紙を使って解説しているところです。この大きな紙を裁断し、製本して写真集になります。初めて見た方も多かったのではないでしょうか。

裏話になりますが、実はこの講演をするにあたっては、水口さん(と私)のある思惑がありました。
この講演を聞いて、作品作りに興味を持ってもらい、参加者にも自分の作品作りをして欲しいと言う思いです。

自然を好きでいる事と、そこに踏み入る行為は、本来矛盾しています。
なるべく環境に配慮するのは当然ですが、どんなに気を付けても、幾らかのダメージを与えるのは避けられません。ならば、それに見合う何かを生み出す努力が必要ではないかと、水口さんは考えています。 つまり、作品作りです。

作品作りをする事は、単なる代償行為に収まりません。
水口さんが講演の中で話していたように、作品を意識することで、自然と向き合う心構えが変わります。写真であれば、自分の感じた事を他者に伝えるためには何が必要かを考え、注意深く撮るようになります。
そうやって周囲を観察する事は、より多くのものを発見する事に繋がります。帰ってからも、作品作りの中で思索を巡らし、現場では気付かなかった発見をする事もあるでしょう。それは自然写真を撮る人にとって、とても幸福な事です。

写真以外にも、絵画や文章など、作品には様々な表現方法がありますが、それぞれに意識しながら自然と接する事は、漫然と景色を見て過ごすだけでは得られない経験を、作る人にもたらすはずです。

スライドショークラブを切っ掛けにして、自然と触れ合う人々が作品作りを楽しんでくれればと、私は(多分水口さんも)願っています。それは自然を知り、考え、守る意味でも、プラスに働くはずです。

 

(ここまでの写真はすべて長束芳彦氏の撮影によるものです。写真提供ありがとうございました)

 

最後の講演は、わたしの「白鷺舞踏〜境川を訪れる野鳥たち〜」です。
昨年引っ越した新居の近くに川があり、そこを訪れるサギがきれいに撮れたので、紹介させて頂きました。

この様に、遠くに出掛けなくても、身近に美しい自然や興味深い生態が隠れているかもしれません。あるいは近くの水族館や動物園に行ってみるのも面白いと思います。きっとどこかに一つや二つ、新しい発見があるはずです。

 

最後に次回講演についてのお知らせをしました。
(この時、講演が長すぎたのか、途中で退席される方がいました。状況を把握できず、申し訳ありません。<(_ _)>)

次回は9月12日(土曜)、川崎市産業振興会館のホールで行います。400人入れる大型ホールを一日(9〜21時)借りてみました。

スライドショーは今まで通り約2時間の予定ですので、約10時間余ります。
この時間を使って、新しい試みを考えています。自然をテーマにした作品の展示と販売を行う「ネイチャーマーケット(仮称)」です。名前は大げさですが、要するに今までの簡易展示台やフリータイムをまとめて、規模を大きくしたものと思ってください。
写真はもちろん、絵画や立体など、自然がテーマの作品を何でも置いて頂いて、それらを互いに見たり買ったりする事で、参加者同士のコミュニケーションを楽しんで頂こうと言う趣旨です。

現在、今回のスライドショーの経験を踏まえて、皆さんがより気軽に参加できるよう、企画を練り直しています。詳細は5月中旬ごろ発表する予定です。

今後もネイチャーイメージスライドショークラブは、自然が好きな人が楽しめるイベントを目指します。
次回もぜひよろしくお願いいたします。

 
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